果実酒に漬け込んだ果実って、どのタイミングで取り出すか迷いませんか?
同じ果実酒でもレシピによっても取り出し時期にばらつきがあってどう判断したら良いものか。
そもそも、果実酒の果実は取り出さないといけないものなんでしょうか?ずっと漬けておくのはダメ?
梅酒なんて何十年も梅の実が漬かってるイメージがあるけど、実際に取り出さなくても良い種類の果実酒ってあるのでしょうか?
果実酒の果実を取り出す理由は?
そもそもですが、どうして果実酒の果実を取り出す必要があるのか、その理由はご存知ですか?
ずーっと漬けておくと実がふやけて腐ってくるからなんじゃない?なんて私は思ったのですが、実はそうではありません。果実酒に果実を必要以上に長く漬けておくと果実の種の苦味が出てきてしまうので、それを防ぐために実を取り出します。また果物の種類によって時間に差はありますが果実の旨味が出切ってしまえばそのまま漬けておく意味はない、というのもあります。
それ以外には、実がやわらかいくて長く漬けておくと実が溶けたり崩れたりしてくる果物の場合。こういう果実の場合は果実を取り出さないでおくとお酒が濁ってきて色が悪くなったり、旨味以外の雑味が出てきて味にも影響が出ることがあります。また溶けた実が保存容器内のフチに付いてアルコール分が蒸発してカビる可能性もないとは言えません。
こういう心配があるので、一定期間経ったら果実酒の実は取り出しましょうというレシピが多いです。
実が腐るから取り出す訳ではないんですね!
果実酒とは言ってしまえば果実のアルコール漬け。なので適切な処置をして漬けていれば果実が腐ることはないんですね◎
果実を長く漬けておけばそれだけおいしさも増していくような気がしなくもないのですが、実際にはそんなことはなく果実の持つ旨味にも当然限界値があって、それ以上実を入れていると苦味が出たり果実が溶けて濁ったり雑味が出るのを防ぐために果実の成分が十分お酒に出る頃合いで実を取り出します。
そうすることで果実の旨味成分だけをアルコール内に抽出させられておいしく飲むことが出来るようになるということなんですね♪
果実酒から実を取り出さなくても良い果物はある?
と、言うことはですよ?
種がなかったり実がかたい果実なら漬けっぱなしにしていても問題はないっていうこと?
って疑問が浮かびませんか?
今漬けている我が家の梅酒は6年間ずーっと梅の実を漬けっぱなしですし、実家にあった20年ものの自家製梅酒にも実が漬かったままになっていました。(そういえばいつの間にかなくなっていたなあの梅酒…)
実際の所どうなのか?と言うと、やっぱり梅は取り出さなくても良い果実酒の1つと言えます。レシピによっては1年で取り出すと書いてあるものもありますが、取り出さなくても問題なかったりもします。現に今、うちの梅酒は何も問題なく美味しいですから^^
人によっては半年を過ぎてくると梅の種の苦味が気になるという人もいるので、味見をしてみて気になる人は梅を取り出した方が良いですね。ただ梅酒であれ他の果実酒であれ、その時は苦味やエグみを感じても1年くらい経ったら味が落ち着いてまろやかになってもくるので、どれくらいから飲み始めたいかというタイミングによって判断しても良さそうです。早く飲みたいのか、何年も熟成させてから飲むのか。
また梅の場合は梅のエキスが出て実がしわしわになってくるので、しわが寄るまでは漬けておくとシワで判断する人もいます◎
▼左がしわしわになった梅酒の梅の実
また花梨も皮がかたいのでどちらかと言えば長く漬けておける果実です。かりんは風邪引きの喉に効くとよく言われますね♪
果実酒から実を取り出すタイミングはいつ?
じゃぁ実を取り出した方が良いのはどんな果物でいつ取り出せば良いのか?
取り出す期間とその果物は何か、つけ置きの目安期間は次の通りです。
3ヶ月・・・さくらんぼ、キウイ、桃
半年 ・・・りんご、パイナップル
1年 ・・・梅、花梨、杏、プラム
実がやわらかいものは漬ける期間は短く、実がしっかりしているもの程長くなります。
ここに書いていない果物で漬けたいと考えている方は、その果物のかたさはどの果物に近いかで判断してもらうと良いと思います。
ちなみに実を取り出すのが早いということは果実のエキスも抽出しやすいということなので飲み頃になる期間も早め、という判断も出来ます。できるだけ早く飲みたい!という人は実がやわらかいものを選ぶと良いですね♪
柑橘類は皮から苦味が出るので長く漬けておくと苦味が強く飲みにくいと感じる人が多いです。なので取り出す期間は早めです。もし皮と実をバラして別々で漬ける場合は、皮の白い部分に苦味が多いので皮は1~2週間で取り出して、果実は2ヶ月くらいを目安に取り出すと良いです。
人によってはその柑橘の苦味が好きだという人もいるので、そこはお好みで調整を◎
上記はあくまでも目安期間なので、果実の状態によっては期間が前後することも勿論あります。都度都度様子を見て、濁ってきたなと思ったら予定期間より早くても濾したり、反対にそろそろ取り出し時期だけどコレ抽出できてるのかな?と気になる時は香りを嗅いでみたりしての臨機応変な対応が必要です。
香りの確認は果実の抽出の見極めポイントの1つです。フタを開けた時にホワイトリカーそのもののアルコール臭がツンと先に感じられる場合はまだ抽出不足。アルコール臭がなくなって漬けている果実の香りがするようになってから実を取り出した方が良いです◎
果実を取り出してそのまますぐに飲むことも可能ですが、より味をなじませて飲みやすくする為に半年くらいは熟成させた方がおいしくなるのでおすすめ。実を取り出したらキッチンペーパーなどで濾して、消毒した瓶に詰めなおして常温で熟成させましょう。
▽こういうガラス瓶に入れると一気にオシャレになりますね♪
果実を取り出す時、実は絞った方が良い?
梅だと実がかたくてほぼ絞れませんが、柑橘系なんかは絞ろうと思えば実を絞ることが出来ますよね。そういう絞れる果実の場合は絞った方がよりエキスが出て良いのかな?って思ったりしませんか?
確かに絞れる果実の場合は絞った方が、残っている旨味エキスや染み込んだアルコールを絞り出すことが出来ます。が、苦味などの雑味や濁りも出てしまう可能性が高いです。
果実の香りがちゃんとするまで漬けたのならアルコールに果実の旨味は出ているので、そこで絞る必要は特にナシです◎
果実酒の実を取り出すタイミングはいつ? まとめ
果実酒を作る場合、梅やかりんなど実がかたい果実の場合は長く漬けておくことが出来ます。逆に実がやわらかい果物は実が溶けて崩れてくるので、そしたら取り出すことが多いです。
でもこれはあくまで一般的なやり方であって、濁りも旨味の1つと取り出さずにそのまま漬けておいたり、あえて果実を潰して濁らせるのが好きな人もいたり、見た目のきれいさを重視してきれいに色が出た時点で取り出す人もいたりと様々です。
何事も1回作っただけで理想の形にするのは難しいものですから、何度も挑戦して自分の好みの具合を探りつつ。ぜひ果実酒作りを楽しんでもらえたらと思います♪
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