こちらで(ひじきは体に悪い!?ひじきには有害な毒素があるって本当?)ひじきに含まれる無機ヒ素についてご紹介しましたが、ひじきを調理する時は乾燥したものは水などで戻してから使うことが多いですよね。
この気になるひじきの無機ヒ素、実はひじきの戻し方によっては随分とその量を減らすことが可能なんです!
今回はそんな、より無機ヒ素量を減らすことが出来る乾燥ひじきの戻し方について詳しく見ていきたいと思います^^
乾燥ひじきの戻し方でヒ素量に違いは出る?
はじめに結論からお伝えしておきます!
①まずひじきは乾燥したままではなく戻してから使う
②戻す際に使った水は調理には使わない
③戻し時間が長い方がより多く無機ヒ素が溶出する
④水よりもお湯で戻した方がより多く無機ヒ素が溶出する
まずそもそもなのですが、①ひじきは乾燥したままでは使わず水などで戻してから使った方が良いです。
例えば煮物にする場合に、他の具材を煮ているところに乾燥したひじきをそのまま投入して作ることも出来ますが、でもその作り方はおすすめしません。
と言うのも、ひじきは水で戻せば無機ヒ素が水中に溶け出すのでひじきの残留ヒ素を減らせるからです。
戻さないで使ってしまうと無機ヒ素の量もそのままで使ってしまうことになるんですね。
この理由から②ひじきの戻し汁を料理に使うこともおすすめしません。
戻した水の中に無機ヒ素が溶け出ている訳ですから、ひじきの残留ヒ素は減ってもその水を使って食べたら、意味ないですよね。
私なんかは椎茸の戻し汁みたいに栄養がありそうな気がして使いたくなってしまうんですけどね~そこはぐっと我慢、と^^
でも本当にひじきの無機ヒ素は水に溶け出るの?
って疑問に思いませんか?
実際に、江東区保健所が調査した実験結果があります!(ひじきに含まれるヒ素)
この調査ではひじきを水で戻す「水戻し」時間により溶け出すヒ素量を調べています。
●ヒ素含有率1.30mgの芽ひじき
→ 30分後に0.48mg(36%)のヒ素が溶出
→ 60分後には0.89mg(68%)のヒ素が溶出
●ヒ素含有率1.08mgの長ひじき
→ 30分後に0.37mg(34%)のヒ素が溶出
→ 60分後には0.74mg(68%)のヒ素が溶出
芽ひじき・長ひじきどちらの場合も30分浸けた場合は約35%のヒ素溶出量なのに対し60分だと約70%のヒ素が溶出している、つまり③長い時間水に浸けた方がヒ素の溶出量は多いことがわかりますね。
▼長ひじき
▼芽ひじき
ひじきは長ひじきと呼ばれる細長い茎の部分があって、そこに芽のように出ている部分を芽ひじきと呼びます。長ひじきの方が太くて食べごたえ有り、芽ひじきは細かくてやわらかめです。長ひじきは水で戻すとうにょうにょしてて気持ち悪い見た目です※個人的な感想。
[quads id=1]更にここで私が気になるのが次のこと。
ひじきの無機ヒ素は水とお湯とでは溶出量に違いはある?
乾燥ひじきを水で戻す場合とお湯で戻す場合とで残留ヒ素量に差は出るのか。
水で戻すよりもお湯で戻す方が戻し時間が早い気がするので私は乾燥ひじきを戻す時はいつもお湯を使っているのですが、水かお湯かでヒ素の溶け出す量に違いはあるのでしょうか?
これも実際に調査されています。
まず江東区保健所の調査は次の3つの方法
ア 乾燥ひじきを30分水戻ししてから5分間茹でる
イ 乾燥ひじきを60分水戻ししてから5分間茹でる
ウ 水戻ししないで5分間茹でる
で実験しているのですが、
これによるとイの60分水戻ししてから茹でる方法が一番ヒ素の溶出量が多くなることがわかったそうです。
また農林水産省の調査でも水よりも加熱して戻した方がより無機ヒ素を除去出来るという結果になっています。
この調査では水に浸けて戻す「水戻し」、お湯で茹でる「茹で戻し」、水戻しをした後お湯で茹でる「茹でこぼし」の3つの方法をとっています。
「水戻し」
乾燥ひじき20gを600ccの常温水(約20℃)で30分水戻し
→ 戻し水を捨てて流水で20秒水洗い
「茹で戻し」
乾燥ひじき20gを600ccの常温水(約20℃)に入れ強火で加熱
→ 沸騰後弱火で5分間茹でる
→ お湯を捨てて流水で20秒水洗い
「茹でこぼし」
乾燥ひじき20gを600ccの常温水(約20℃)30分水戻し
→ 戻し水を捨てて600ccのお湯に入れて強火で加熱
→ 沸騰後弱火で5分間茹でる
→ お湯を捨てて流水で20秒水洗い
この調査により、乾燥ひじきのヒ素含有量を100%とした時の乾燥ヒジキの無機ヒ素は
「水戻し」で50%程度減
「茹で戻し」で80%程度減
「茹でこぼし」で90%程度減
となり「茹でこぼし」による調理方法が乾燥ひじき中の無機ヒ素量を減らす一番有効な方法であるという結果になりました。
この2つの調査結果から④水よりもお湯で戻した方がより多く無機ヒ素が溶出するということがわかりますね!^^
生ひじきや缶詰ひじきの食べ方は?
スーパーなどでは乾燥ひじきだけじゃなくて生ひじきや缶詰のひじきも売られていますよね。
▼非常食として常備しておくのも◎
これらは乾燥ひじきを水戻ししたものなので再度水などで戻さなくてもすぐに使えて便利なのがウリ♪
日本ではひじき製品の製造・加工工程でしっかりと水洗い、水戻し、茹でこぼし等が行われているので無機ヒ素の健康被害が出たことはないと言います。
なので更に水洗いなどをする必要はないと思われます。
もしもどうしても気になるのであれば、流水で洗ったり茹でこぼしたりしてから使うと良いですね^^
ひじきの無機ヒ素含有量をより減らせる戻し方 まとめ
ということでひじきの戻し方による含有無機ヒ素量の違いについてご紹介しました。
で、結局一番無機ヒ素量を減らせる方法は何だ?
というのを以上の結果から総合的にみると
60分水に浸けてから沸騰したお湯に入れて5分間茹でる「茹でこぼし」をする
これが乾燥ひじきを調理する時に無機ヒ素を減らすための有効な方法と言えると思います!
ひじきのヒ素が減るのはわかったけど、
じゃぁひじきの栄養分は?栄養素も一緒に減ってしまうんじゃ?
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