ちょろぎって、ご存知ですか?
知らない人が初めて見たら思わず「何コレきもっ!?」と言ってしまうかもかも知れない…その見た目故に食わず嫌いな人もいるかも知れない…
今回はそんな怪しい物体、ちょろぎについてご紹介したいと思います!
ちょろぎって何?
まずはちょろぎとはなんぞや?というところ。
ちょろぎは植物で、食べることが出来ます。
ちょろぎはシソ科の多年草植物で、江戸時代に中国から伝わりました。食用に出来るのは根っこに出来る塊茎、つまり地下茎の一部が養分を蓄えて肥大した部分です。塊茎と言うと他にはジャガイモとかクワイも塊茎ですね。
ちょろぎは日本だと東北地方や大分が主な産地となっています。
↑の写真のちょろぎは赤色をしていますが、これは梅酢に漬けてあるからであって本来のちょろぎは白色です。見た目が、ちょっと、芋虫みたいな。^^;この見た目で苦手意識を持つ人もいると思います。虫以外だと巻き貝という人もいますね。
「ちょろぎ」のあて字はいくつかあって、
- 草石蚕
- 丁呂木、丁梠木
- 長呂儀
長寿の縁起物として縁起を担いたものだと
- 千代呂木
- 千代老木
- 長老喜
- 長老木
- 長老貴
などなど。
そもそもの「ちょろぎ」という名称の由来も諸説あるようで、もともとは中国の朝露葱を日本語読みにしたものではないかと言われているようです。ちょうろぎ、ちょうろうぎ、ちよろぎ、どれも似た音ですよね。
でも上記で挙げた中で草石蚕だけはちょっと、違ってますよね?どうやってもちょろぎとは読めない…これは、ちょろぎの塊茎が石蚕(いさご:トビケラ類の幼虫)に似ていることから付けられているようです。石蚕の草版、ということですね。なるほど。
ちょろぎの食感や味は?どういう食べ方が多い?
生のちょろぎは、らっきょうのような生姜のような生ニンニクのような。サクサクと、ちょっと歯ごたえのある硬めのカリカリ食感。加熱すると百合根のようなホクホクとした食感になります。
味わいも百合根みたいですが、味がないと感じる人もいてちょろぎそれ自体は淡白で特に主張をするような味ではないです。なので味噌などで味をつけて食べたり、また漬物にして食べることが多いです。
私が初めてちょろぎを食べた時もなのですが、このように↓
赤酢に漬けて酢漬けとして食べることが日本だと多いみたいです。カリカリ梅とか紫蘇ニンニクが好きな人ならきっとちょろぎの漬物も好きだと思います!個人的には止まらない美味しさ♪
他の食べ方だと、煮物やお吸い物、和え物、素揚げ・天ぷら、茶碗蒸しの百合根の代わりに使ったり。また煎じて飲んだり、粉末にしてクッキーやパンに入れる使い方も!
ちょろぎは中国からヨーロッパにも伝わっていて、フランスだとクリーム煮や炒め物、サラダなどにしても食べられています。
主張する味がないってことは和洋中どんな料理でも使いやすいってことなので工夫次第で何にでも使えますよね◎
もし赤酢のちょろぎを持て余しているなら、そのまま食べる以外だと紅しょうがの代わりに焼きそばや牛丼と食べたり、細かく刻んでお好み焼きやたこ焼きに混ぜ込んだりドレッシングやマヨネーズと合わせてピクルス使いをしてみたり。
チャーハンの具に足したりカリカリ梅のおにぎり風とか、卵焼きに混ぜても食感がおもしろいですよ♪
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ちょろぎはお正月に食べるもの!?その理由は?
私は知らなかったのですがちょろぎはお正月のおせち料理で食べることが多いようです!
私が初めてちょろぎを食べたのはなんでもない普通の日のとある飲食店で、こんな変わった食べ物があるのか~という具合だったので、まさかお正月のおめでたい席での食べ物だとは露知らず。
でもあて字のところでも触れたように、長老とか千代とか、その字面を見てもめでたい感がビシバシ伝わってきますよね^^日本人ってあて字好きですよね。またそれ故に結婚式の引き出物に使うところもあるみたいです。
漢字がめでたい雰囲気というのもあるし、そもそもちょろぎの根茎の収穫が10月から11月(西日本では12月 )頃ということもあってお正月のお節料理に縁起物として入れるのに丁度良いというのも理由の1つだったりします。
↑こんな風に黒豆に数個だけ添えてあるというスタイルが多いです。おせち料理って食材それぞれに意味がありますが、ちょろぎの場合はまめに働くという意味を持つ黒豆と長寿を願うちょろぎを合わせて、まめに働けるように健康を願うという意味が込められています。
私は富山県出身なんですが、地元のおせち料理でちょろぎを見たことがないので地域性もあるんだろうと思います。
九州出身の知人は小学校などの給食に普通にちょろぎが出ていたそうなのでお正月関係なく食べているところもあるみたいです。
また東北に旅行をした知人はお茶請けに山盛りのちょろぎの甘煮が出てきて、初めて見るちょろぎにびっくりしたと言っていました^^
産地に住んでいる人にはなんてことない、日常的な食べ物なんでしょうね◎
ちょろぎの栄養や効能は?
さてそんなおめでたい食べ物のちょろぎですが、栄養や効用はあるのでしょうか?
ちょろぎはボケ防止に効果があると言われ、実際に脳の活性化の薬効が裏付けされていてフェニルエタノイド配糖体という栄養成分が脳梗塞や痴呆症に効果があることが明らかになっています。
また昔は打撲したところにちょろぎを擦り潰したものを塗って使ったり、強壮作用や鎮咳作用があって漢方薬としても使われています。糖質スタキオース、オリゴ糖を多く含んでいて、腸内の善玉菌を増やして消化や便通の改善にも効果があります。
ちょろぎは未だ研究途中の植物で栄養学的な可能性はまだ解明されていないようですが、研究者は糖尿病患者や心臓血管疾患患者の助けになる可能性があるとしています。(参照:nutraingredients-asia.com)
ちょろぎの食べ方や効用 まとめ
ということで、一見ぎょっとする見た目の^^;ちょろぎについてご紹介いたしました!
ちょろぎは家庭菜園でも比較的栽培しやすい植物なので自分で育てている人もいます。
種芋が売られているので興味のある人は栽培してみるのも良いですね。
見た目はちょっと、アレですが、刻んでしまえば形はきにならないし淡泊な味わいなので料理のアレンジもしやすいです。
まだまだ研究途中ですが栄養効果もあるので、機会があったらぜひ一度試してみてはいかがでしょうか♪
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