9月9日は重陽の節句、別名「菊の節句」です。
3月3日の桃の節句や5月5日の端午の節句は知っているけど9月9日の菊の節句はあまり馴染みがない、という人も多いはず。
そんな菊の節句にいただきたい料理、飲み物や食べ物をご紹介します♪
重陽の節句の飲み物
菊の節句には、お酒に菊の花びらを浮かべた菊酒をいただきます。
9月9日の重陽の節句には、菊を飾って鑑賞したりお酒に菊の花びらを浮かべて飲んだりする風習があります。
なぜ菊なのか?と言うと、菊は長く咲く花だからです。
菊はお墓に供える仏花として用いられるのでもしかしたら菊の花に明るいイメージを持っていない人もいるかも知れませんが、菊には薬効があって古来より延寿の力があるとされてきました。
また菊の芳香と気品高さで邪気を祓う、邪気払いとしての意味もあります。
古くは宮中行事として、宴を催して菊を眺めたり菊酒を飲んで厄払いや長寿祈願をしていたんですね。
でも菊の花ってもっと秋、10月くらいが見頃の花じゃなかったっけ?と思ったあなた。
その通り菊の見頃は10月~11月くらいで、菊まつりや菊の鑑賞会は10月から11月にかけて行われています。
なのですが、旧暦の9月9日は今で言うところの10月中旬。なので菊の節句はその名の通りまさに菊の花盛りの時期の行事にあたります。
旧暦と新暦って、ちょっとややこしいですよね。
菊は重陽の節句の頃が盛りの季節の花であり花持ちが良く長く楽めるということで、菊を眺めてその長寿にあやかる日となったというわけです^^
そんな菊の節句に飲む菊酒ですが、飲み方がいくつかあります。
まず簡単なのは、好きな日本酒を盃に注いだら食用菊の花びらを数枚ちぎってそこに浮かべて飲むもの。飲む時に日本酒の香りに混じってほのかな菊の香りも楽しめます。
もう少し菊感を味わいたい場合は、菊の香りをよりお酒に移すためにあらかじめ菊の花を日本酒に漬けておきましょう。清潔な容器に好きな日本酒ときれいに洗った菊の花を入れて1週間もすればほんのり香りがついた菊酒が仕上がります。
蒸した菊を使えば一晩漬けておくだけで菊の香りを移せます。
菊酒を盃に注いで、更に花びらも浮かべるとより菊の風味が楽しめます。
中秋の名月が近いこともあるので、菊の節句に菊酒を仕込んで十五夜のお月見の時のお供にするのも風情が感じられて良いですね^^
ちなみに、日本酒好きの方はご存知かもしれませんが石川県には「加賀の菊酒」というものがあります。
その昔、石川県の白山市を主に流れている手取川の上流には野菊がたくさん咲いていて、その野菊の露しずくが集まった川の水で造ったお酒を加賀の菊酒、白山の菊酒と呼びました。現在の加賀の菊酒では「菊姫」や「萬歳楽」が有名でしょうか。
菊姫は辛口で食事の邪魔をしない飲みやすさの個人的にとってもおすすめな日本酒です。
日本酒がお好きならぜひ飲んでみてほしい!
もっと本格的に、果実酒のように菊を漬け込むことも出来ます。
作り方は果実酒と同じで、煮沸消毒したビンにアルコール度数35%のお酒と食用菊、氷砂糖を入れて漬け込みます。
冷暗所で保存して、1ヶ月ほど経って色と香りが移ったら菊を取り出して漉してまた保存します。
1年くらい寝かせると良いですが、好みでもっと早くに飲んでもOK。
本格的な菊酒で菊の節句を過ごしたい!という人は、今年は難しいですが来年の9月9日のために今から菊酒を仕込んでみるのも良いかもしれませんね♪
お酒が飲めない、そんな人には菊花茶がおすすめです。
中国では花を入れて飲む花茶が日常的に飲まれていますが、菊花茶もそのひとつです。
菊酒同様、烏龍茶などに菊の花びらを浮かべても良いですしお茶専門店などでも菊花茶が手に入ります。見た目や香りと一緒に食用菊のシャキッとした歯ざわりを楽しんでも◎
重陽の節句の食べ物
菊の節句には菊酒を飲んで、更に菊も食べましょう!
菊には観賞用と食べる用の食用菊とがあります。日本では日常的に食べる地域もありますが、馴染みが薄い人も多いと思います。個人的な印象ではお刺身パックに添えられてる、あのイメージしかなかったりします^^;
食用菊はさっと茹でて食べる食べ方が多く、おひたしにしたり普段の料理に散らしたりして簡単に食べられます。
茹で方や食べ方など詳しくはこちらの▷食用菊の茹で方、食べ方と保存方法で紹介しているのでご参照ください。
食用菊には発がんの抑制や中性脂肪を下げる効果があったりビタミンやミネラル、葉酸など抗酸化作用のある栄養成分も含まれていま。スーパーなどで年中売られていて結構簡単に手に入るので、この菊の節句を機会にいろいろ試してみるのも良いと思います。
また重陽の節句の頃は栗の収穫の時期でもあるため、昔の庶民の間では「栗の節句」としてお祝いをしていました。
ということなのでぜひ栗も一緒にいただきたいところ。
栗と鶏肉の炒め煮や、栗料理の定番、栗ご飯に菊の花びらを散らすと菊の節句らしさもぐんとアップします。
お酒のアテに甘い物がいける人は菊酒と栗蒸し羊羹、栗きんとんなど。
お酒がダメな人は菊茶とモンブラン、なんていかがでしょうか♪
重陽の節句の料理、飲み物や食べ物 まとめ
重陽の節句は別名を菊の節句と言いますから、普段馴染みがなくてもこの機会に菊を取り入れた飲み物や食べ物を料理してみるのも楽しみだと思います。
そばには菊の花も飾って。
それぞれに合った料理で菊の節句を満喫してもらえたらと思います^^
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